カリフォルニア大学アーバイン校 佐藤慎哉先生によるセミナーを開催しました

日 時: 2025年10月22日(水) 16:00~18:00

場 所: コラーニングハウスⅡ4階講義室

講演者: 佐藤 慎哉 先生
 
所 属: Brunson Center for Translational Vision Research – Gavin Herbert Eye Institute
     Department of Ophthalmology and
     Visual SciencesUniversity of California, Irvine

タイトル : Ex vivo ERGを使ったマウスとゼブラフィッシュの網膜視細胞光応答の研究事例

要旨
網膜電図(electroretinography, ERG)は網膜の電気生理学的な応答を生体から直接測定可能な手法だが、以下の技術的な課題がある。[1] 波形に網膜とRPEに由来する複数の成分が含まれ、波形解釈が難しい。[2] 網膜血液関門により薬剤送達が困難。[3] 実験動物に用いる場合は麻酔が神経活動へ影響し、かつ麻酔下動物の小さな動きが測定ノイズを生じる。Ex vivo ERG法は演者がポスドク研究員をしたWashington University in St. LouisにおいてFrans Vinberg(現 University of Utha)が開発した手法で、眼球から取り出した網膜を専用の透明なアクリル製器具に挟み込み、灌流下で光応答を測定する技術である。従来のオープン型チャンバーと比べてチャンバー体積が小さい本法では、シグナルノイズ比の向上と薬剤の迅速な送達が可能となっている。また、阻害剤を用いて視細胞応答を単離する手法が確立しており、視細胞の分析に非常に便利な手法である。演者は2015-17年に本法を学び、現在は年間約500枚の網膜(2024年実績)を分析している。また、2020年には京都大学で測定系を製作した経験もある。本講演ではまず、測定の実際と、測定系を自作した際の経験談を紹介する。次にex vivo ERG法を使用した研究として、マウス桿体、マウス錐体、ゼブラフィッシュでの事例を紹介する。